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「交流」。もっと難しいことだと思っていた。

 ミーツ・ザ・福祉に参加して、猛烈に心に残ったシーンがあります。 それは、グラウンドで行われていた運動会でのことです。電動車いすに乗っているおっちゃんの膝の上に子供が乗り、周りの子供がわいわいしながら追いかけている姿でした。それを見たスタッフが、「こっちに並んでー!」と声を出しています。この電動車いすに乗っている方、そこそこ年のいったおっちゃんで、手足はうまく動かず首も斜めになっていて、言葉も少し聞き取りにくいような、僕の思う、みるからに「障害者」という人でした。

 正直なところ、障害を持った方と、障害を持った方に関わったことのない人が交流することはとても難しいことだと思っていました。このミーツ・ザ・福祉を通じて、目の端でそういった方も自分の住んでいる地域にいるんだなと感じてくれたらいいなぁぐらいで思っていたんです。スタッフはというと、障害を持っていない方々に障害を持った方と交流してもらおうと盛り上げるような、そんな感じになるんだろうと思っていました。

 その予想は大はずれでした。まさか子供と障害を持った方がわいわいと遊びすぎ、スタッフが押さえないといけないようなことになるとは思ってもいませんでした。 障害を持った方と持っていない方、そこに変に壁を作っていたのは他でもない自分だったんだ!とはっとさせられた瞬間でした。

 ミーツ・ザ・福祉で心に残った言葉があります。それはたまたま橘公園の前を通ったおばあちゃんが話しかけてきた時の言葉でした。

「なんか楽しそうなことやってるね。これは何をやっているの?」

本当にいい場だった!!心からそう思います。

(文・永善 俊充)